個人戦と部隊戦を分け、「あと一隊」を敗因にする
今回やったこと / この記事について
ゲームの戦闘を、複数の名持ちが戦う個人戦と、兵を率いる部隊戦の二本立てにする構想を整理する。狙いは、戦闘を複雑にすること自体ではない。敗北のあとに「左翼にもう一隊あれば勝てた」とプレイヤーが理解し、その不足を埋める仲間を集めたくなる流れを作ることだ。これは設計案であり、完成した戦闘システムの説明ではない。
二つの戦闘が受け持つもの
個人戦は、名のある人物たちによるチーム戦として扱う。部隊戦は、そのチームに兵を付けて隊として運用する単位だ。一人が一部隊になるのではなく、複数の名持ちと兵を組み合わせて一隊を作る。これなら、人物の能力と集団の運用を同じ数字に押し込まずに済む。
部隊戦は基本的に自動で進み、プレイヤーが介入するのは要所だけにする構想だ。全行動を細かく指示する方式では、物語の節目より操作が前に出る。反対に完全自動だけでは、戦況に自分が関わった手応えが弱くなる。介入箇所を限定すれば、普段は戦場の流れを見せ、勝敗を左右する場面で判断を求められる。
| 単位 | 編成 | 主に伝えること |
|---|---|---|
| 個人戦チーム | 名持ちの人物を複数配置 | 人物同士の役割と能力 |
| 部隊 | 個人戦チームに兵を付ける | 隊長の適性と戦場での運用 |
| 介入場面 | 部隊戦の要所で選択 | 判断が結果に影響した手応え |
当初の「三列を自動で進める」案では物足りず、もう少し戦略性が必要だという判断がある。ただし、戦略性を増やすために操作項目を際限なく増やすのは解決にならない。重要なのは、プレイヤーに何を考えさせるかを先に決めることだ。この構想で考えさせたいのは、兵の数を細かく配分することより、どの隊長をどの役割へ置くかである。
敗北の理由を、補える不足として見せる
戦場では、別働隊がいれば抜けた道や、左翼にもう一隊あれば支えられた局面を作る。負けた後には、空いていた道と、そこに必要だった隊長の条件を示す。敗北を単なる数値不足にせず、「誰がいれば、どの役割を任せられたか」という次の行動につなげる。
ここで不足させるのは兵数ではない。兵数は作業で補える前提にし、足りないものは隊を率いる名持ちや、特定の適性を持つ人物にする。兵を増やせば何でも解決する設計では、仲間を探す理由が弱まる。隊長の能力に不足があるなら、どんな人物を迎えれば状況が変わるかをプレイヤーに想像させられる。
ただし、「あの仲間がいれば勝てた」と後から表示するだけでは十分でない。必要な人物の条件が曖昧だったり、加入方法が分からなかったりすれば、敗北は理不尽な演出に見える。空いていた道、その道で求められた適性、条件を満たす人物を探す手がかりを一続きに提示する必要がある。不足の提示は、次の目標を示す案内でもある。
自動進行と介入の境界
基本を自動進行にするなら、プレイヤーが介入できる場面は、戦況の読み替えにつながる決断に絞る。たとえば、別働隊をどの経路へ向けるか、適性のある隊長をどの戦線に置くかといった判断が候補になる。具体的な操作やルールはまだ決まっていないため、ここで特定のコマンドや戦闘計算を既定仕様として扱うことはできない。
試作で確かめたいのは、操作回数ではなく、敗北の理由が理解できるかどうかだ。プレイヤーが戦闘後に「兵が少なかった」とだけ受け取るなら、狙いは伝わっていない。「この道を任せられる人物がいなかった」と理解し、その人物を探す行動に移るなら、戦闘と仲間集めがつながっている。
設計の評価基準
現段階では、戦闘の自動化範囲、介入できる頻度、適性の種類、敗北時に示す情報の粒度は未検証だ。まずは一つの戦闘で「空いていた道」「必要な隊長の条件」「仲間を得た後に変わる点」を揃え、プレイヤーが次の一手を選べるかを見るのがよい。そこで不足が伝わらなければ、演出や条件表示を見直す。操作を足すのは、その後でも遅くない。
参照
- 社内の設計メモ(「個人戦と部隊戦の二本立て」)
更新履歴
- 2026-10-15: 初稿作成。構想段階の設計案として整理。
訂正履歴
なし。