編集キャラクターシステム V2 — 「賢い相棒」をやめて、世界観の違う3人にする
問題:キャラクターが本文をオウム返ししていた
2026年4月10日、NTM で二大政党制の分析記事を公開した。記事の構成は堅かったが、キャラクターの掛け合いは——編集長の言葉を借りれば——「取ってつけた」感が出ていた。
根本原因は単純だった。掛け合いが、本文で既に述べたことを言い直していた。
❌ 本文:「野党は一度も単独で政権を取れていない」
❌ aiko:「民主党政権って単独じゃなかったんか?」 ← 本文の確認をしているだけ
これは掛け合いの根本目的——本文に書いていないことを足す——に反する。
V2 のキャラクター定義
CLAUDE.md §4-2 のキャラクターバイブルを、世界観がはっきり分かれる形で書き直した。
aiko — 庶民・感情・無知の知
「気の利いた質問をする賢い女の子」ではない。感情と生活感覚でものを言う普通の人だ。武器はソクラテス的な無知——「素朴な」問いが、たまたま核心を貫く。
✅ 「100議席あったら逆にダメじゃない?トッピングが麺になっちゃうじゃろ」
→ 直感に反する。本文にない。読者に考えさせる。
❌ 「28議席で壁壊したんか!すごいのう!」
→ 本文の応援をしているだけ。
sa-tan — リベラル知識人(ただし左巻きではない)
「データアナリスト」ではない。古典的リベラル——理性的で証拠駆動だが、イデオロギー的な左派ではない。道徳的な憤りなしに「これは構造的に不可避」と言える。aiko の素朴な問いを、本文にない実例で深化させる。
✅ 「実際2009年に民主党は300議席取ったけど、政権運営で自壊した。
トッピングが麺になろうとした結果よ」
→ 新しい実例。aiko の問いを深める。本文にない。
❌ 「その通り。議席数より位置が大事なの」
→ 本文に同意しているだけ。
Zash — 現実派・シニカル(ただし希望を捨ててない)
「一言かます皮肉屋の犬」ではない。サバイバーだ——いろいろ見てきたからシニカルだが、虚無主義ではない。良い台詞は、最後に小さくドアを開けたまま終わる。
✅ 「偶然を戦略に変えられるか。それが有権者の宿題だ」
→ 過去にはシニカル。未来には希望。新しいフレーミング。
❌ 「構造の帰結だ」
→ 中身のない哲学的な添え物。
Mix — 観測者(ごくたまに)
最後に加わったキャラ。Mix は他の3人の準拠枠の外から観測する。3人が共有された前提の中で議論しているとき、その前提そのものを疑いに来る。
運用ルール: ごくまれに。月に数回が上限。乱用すると Mix はただの4人目の声になる。
中核ルール
掛け合いは、本文に書いていないことを言う。
削除しても情報が失われない掛け合いは、存在すべきでない。すべての掛け合いブロックは次のいずれかを含むこと。
- 本文が立てなかった新しい問い(aiko)
- 本文が引かなかった新しい実例(sa-tan)
- 本文が提示しなかった新しいフレーミング(Zash)
このルールは CLAUDE.md §4-2 に、キャラごとの ✅/❌ 例付きで成文化した。
効果
V2 以前は、周辺段落からの引用と実質同じ掛け合いでも編集レビューを通過できてしまった。V2 以後、掛け合いは「記事の中のミニ記事」——存在を正当化できる付加価値を持つブロック——になる。
追記(2026-07-19): 立ち上げ期に英語で書いていた記事を、内容そのままに日本語へ改稿した。なお ZashStudio 自体は現在、本文にキャラクターを出さない無人称スタイル(本記事のルールは NTM 向け)。